建設業許可の要件の一つに『経営業務管理責任者』があります。経営業務管理責任者は大半が法人の『役員』が責任者となりますが、『部長』が責任者となる事ができるか否かをご案内します。

1.経営業務管理責任者として認められる地位

経営業務管理責任者は法人である場合、『役員』であることが求められています。ここでいう役員とは下記の内容で法律で定められています。

業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいう。

建設業法5条第3項

2.部長は経営業務管理責任者として認められるのか?

建設業法上の経営業務管理責任者となれる者について、もう一度確認すると…

『業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者』は、経営業務管理責任者となれます。

では、これらの人が具体的にどんな人かについてですが、「建設業許可事務ガイドライン」で定められています。

「業務を執行する社員」とは、持分会社の業務を執行する社員をいい、「取締役」とは、会社の取締役をいい、「執行役」とは、氏名委員会等設置会社の執行役をいう。

建設業許可事務ガイドライン 第7条関係

✔Point!①

上記を具体的にすると、下記の内容となります。

  • 『業務を執行する社員』とは
    …持分会社(合資会社、合同会社、合名会社)の業務を執行する社員のことです。
  • 『取締役』とは
    …株式会社または有限会社の取締役のことです。
  • 『執行役』とは
    …指名委員会等設置会社の執行約のことです。

更に「建設業許可事務ガイドライン」では「これらに準ずる者」として、下記のように定められています。

また、「これらに準ずる者」とは法人格のある各種組合等の理事等をいい、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は原則として含まれないが、業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て、取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については、含まれるものとする。

建設業許可事務ガイドライン 第7条関係

✔Point!②

これらに準ずる者として、執行役員、会計参与、監事及び事務局長等は、原則として「役員」に含まれていません。

しかし、業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位にあって、許可を受けようとする建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等については、「これらに準ずる者」に含まれています。

つまり、役職が「部長」であったとしても、「これらに準ずる者」に該当すれば、経営業務管理責任者として認められるということになります。

3.部長を経営業務管理責任者として認めてもらうためには?

部長を経営業務管理責任者として認めてもらうためには、「これらに準ずる者」としての要件である、「地位」や「権限」の証明をしなければいけません。

  • 「地位」…業務を執行する社員、取締役または執行役に次ぐ職制上の地位にあたること
  • 「権限」…特定の事業部門に関して業務執行権限があること

これらに準ずる者」の要件と証明資料

部長を「これらに準ずる者」として、経営業務管理責任者とする場合、下記の要件、証明資料が必要となります。

要件①
業務を執行する社員、取締役又は執行役に準ずる地位であること(組織図等で証明

要件②
業務執行を行う特定の事業部門が許可を受けようとする建設業に関する事業部門であること(業務分掌規程等で証明

要件③
取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会の決議により決められた業務執行の方針に従って、特定の事業部門に関して、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念する者であること
定款、取締役会規則、取締役就業規定、取締役会の議事録等で証明

取締役であれば、取締役として登記がされるため、会社の登記簿謄本があれば取締役としての地位と取締役としての権限があることを用意に証明することができます。

しかし、「これらに準ずる者」は、登記される役員ではないため、簡単に地位と権限を証明することができません。そのため「これらに準ずる者」に関しては、上記のような資料(証明)を準備し、その地位と権限を証明することになります。

会社によって体制が異なり、また規定類の内容も様々です。また、許可行政庁により、細部で取り扱いが異なる可能性があるため、「これらに準ずる者」としての地位と権限を証明する資料であるかどうかについて、管轄窓口で事前に確認する必要があります。